朝帰りのすすめ。
例えられないような深い紺と淡く朝を迎えるためのグラデーション
ビルの合間にひとつの影絵のようなシルエット。
それがカラスだと思うのは
カラスの黒を知っているだからだろう。
あんなにきれいな黒を
あんなにきれいな緑を
あんなにきれいな紺を
わたしは他に見たことがない。
例えようのないあの色こそが
わたしたちがほんとは無知なことを教えてくれる。
自然に圧倒されるのは、わたしたちが無知だからだ。
無知だからこそ感動できるのだ。
理論より、こころが動く瞬間に、わたしたちは改めて自分の無知や、無力や、純粋さに気付くだろう。
そんなとき、きっとわたしたちは救われるんだ。
朝焼けの変わりゆく様を夢中でフィルムにおさめてた、21才の朝と、今のわたしの無知、無力、純粋、変わりがないよ。
無知でけっこう。
無力でけっこう。
純粋は刃でもあるけど、それもけっこう。
こどものころみたいにさ、一喜一憂
しようぜ。