naka_nora89’s blog

思うがままに、あるがままに。

気狂いと平和

 

ここしばらくの時間の流れが曖昧で、カレンダーを見て、そうか。と今日が今日と認識する。

カレンダーで言うところの一週間と2日前、わたしは完全なる狂気、コントロール不能、怒りの塊になった。それはそれはソリッドな怒りだった。

そして、わたしは、母に刃物で3針分のケガをさせた。

すべてが崩れる音がして、わたしは狂気に逃げた。遮光カーテンはわたしの部屋の時間を止めてくれるし、酒もデパスも十分にあった。

3日間ほどわたしは狂気と言う名の平和を彷徨った。狂気とは昔からの付き合いで、意外といいやつ。

現実みたいに責任も押し付けてこないし、食べたくもない気分の時も「ごはん食べた?」なんても言ってこないし、心配もしてこないし、とにかく思うがままに凹ませてくれる。

でも狂気のやろうは現実ほど元気ではなくて、さすがに4日もすると疲れて眠りこんでしまう。そしてまたわたしは現実に戻る。

狂気が許してくれた罪悪感も、やはりわたしのものなどだ、と。

のそりと現実に紛れ込む。

さすがに現実では腹はすいた。飯を食う。日常だ、現実だ。そう、気づく。

ビタミン剤や、プロテインとは違う。体が温まる。狂気の中では無くなったような自分の体温を知る。現実だ。

母は意外にも冷静で、しかもわたしの思っていた行動と実際ではえらく話が違う。母曰く私の持っていた包丁を手放させようとしての事故だった、と。

乖離。久しぶりにしてしまったみたい。

ではあの悪夢は…わたしは包丁を握り、母の手を掴み、すぱり、と刃を滑らせた。あれは妄想なのか

自分の手首やら太ももやら、数えていた時は116回。それ以上は傷が重なりすぎてカウントも面倒になってやめた。116回。自分の腕を切ることにはなんの感傷もなかった。だが、人を傷つけるとは。ここまでの罪悪感とは。

離人感奥に痺れるほどの罪悪感。

なにがここまでさせるのか、要因が多すぎて特定もできないし、できたからと言ってもう掃えない。

狂ったように手首を切って、きれいだ、と言っていたころのほうがよっぽど苦しくはなかった。でもその頃に母を傷つけても、きっとこのような罪悪感は芽生えなかっただろう。

狂気が眠ってしまって、現実に来たからには思う。

罪悪感がある今のほうがよっぽど、いい。

戒めは、あったほうがいい。野放しの気狂いはだめだ。そっと現実で懊悩してるくらいがいい。

でもそんなわたしにも平和が訪れて欲しいと思う。狂気の優しさではなく、自分の強さからくる平和を。