naka_nora89’s blog

思うがままに、あるがままに。

値千金

初夏、夜が静まりかえり
まだ虫達も鳴き方を知らず

都会の喧騒もはじめからなかったように

深々と闇夜のなかに
ぽつりぽつりと赤提灯

素通れば賑やかな笑い声

素通ればまた静寂

黙々とごみの袋をトラックに
積み込むひとの眠るとき

わたしの夜があけるだろう

ひとの幸せ願う時
わたしは少しもこころは動かぬ

わたしのように穏やかな
こころ持ちさえあればいい

みんながこの夜の静寂の
穏やか胸にあればいい

今宵は泣いてるあのひとも

あしたはなにかを美味しいと
あしたはなにかがうれしいと

そんなひとときが訪れる
そんなことを願っている

そんな時こそわたしには
この世の素晴らしさが理解できる。