あなたにもわたしにもいいものを並べられる棚は10個しかないとする。
その棚がいっぱいになれば、それは満足げに見とれるだろう。
それを肴に酒なんか飲んだりして
来客にはわざわざ見えるように仕向けたりして
でもいつだかふと
どうでもいいようなものに思える。
絢爛豪華だった棚が、ぐにゃりとバランスが悪い。
そんなときもあるから
いいものは飽きがくる前に入れ換えてしまえばいい。
あげて、もらって
もらって、あげて
そうしていたら棚はいつだって豪華絢爛だ。
しかし本当にいいものは、着古して箪笥の奥に忘れ去られたジャケットのポケットにあったりする。